kuroebiのトーナメント指南 第6回:RAGE VOL.3 オフライン予選分析! 選択から見る大会結果

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10月22~23日に開催されたRAGE VOL.3 オフライン予選の結果を受けて、各クラスの評価自体も一変しました。ランクマッチではヴァンパイアが大暴れしており、「RAGE VOL.3」の影響力に驚かされています。

今後も大規模大会が数多く開催されると思いますが、大会結果がランクマッチでの流行に大きく作用しそうです。

RAGE VOL.3 オフライン予選Day1

RAGE VOL.3 オフライン予選Day2

オフライン予選・データ分析あれこれ

前回のコラムでは、速報として各クラスの使用数についてお伝えしましたが、今回はさらに大会ならではのデータ分析を行ないたいと思います。

2リーダーの組み合わせとデッキ選択

今大会では、2リーダー選択式のBO3(2本先取)にて試合が行なわれました。

単なるデッキの強さだけではなく、2リーダーの組み合わせという戦略面で勝ちやすさが変わってきます。どれだけ抜け目のない組み合わせをできたかどうか、そして大会で頻出するデッキたちに勝ち切れる組み合わせかどうかも非常に重要になります。

実はこういった大会前の予想分析が、大会を勝ち抜くために非常に重要となるのです。

それでは大会で見られた2リーダーの組み合わせを見ていきましょう。

クラス選択表

アリサ_アイコンイリス_アイコン

クラス別の使用数でも頭1つ抜けていたエルフとビショップですが、そもそもこの組み合わせが非常に強力だったということが、このデータによって証明されています。

Day1の時点で全体の3割がこの組み合わせを選んでいたというのも驚異的な数値ですが、Day2でも約40%(128人中50人)がこの組み合わせを選択しており、3名のGrand Finals進出者を生み出しました。

要因としては、エルフとビショップのデッキの万能さが挙げられます。極端に苦手だと言えるデッキが少なく、大会でも相手を選ばず、安定した立ち回りができるというのは魅力です。

この2つのクラスをまったく使わなかったプレイヤーはDay2には1割程度しかおらず、現在のトーナメントシーンにおいてこの2つのクラスを軽視することはあまりに無謀と言っていいでしょう。

エリカ_アイコンイザベル_アイコン

また、エルフとビショップの相方として多く採用されていたのはロイヤルとウィッチです。

人気の組み合わせ上位5つはこの4つのクラスの組み合わせで支配されており、Day2進出者のおよそ8割が選択しました。いずれもデッキの安定性、そして粘り強さによってどんな相手にも極端に不利がつかないという点が評価されたと予想されます。特にRAGE VOL.3 オフライン予選といった長丁場でしかもGrand Finals進出のためにはほぼ負けられないフィールドを勝ち抜くためには、どんな相手にも勝ちやすい選択肢として、これらのクラスを選ぶプレイヤーが多くなったようです。

クラスごとのデッキタイプ

そして各クラス内でのデッキ選択がプレイヤーによって分かれているのも非常に興味深い点でした。

エルフは《[[冥府への道]]》を使うかどうかが焦点となりましたが、「冥府エルフ」を使用したのはDay2進出者の約半数である63名。エルフを使用したプレイヤーのおよそ75%が「冥府エルフ」を選択しています。

ビショップは疾走タイプを選択したプレイヤーが56名で、こちらも非常に人気が高いデッキタイプとなりました。《[[エイラの祈祷]]》を握ったプレイヤーは19名と「疾走ビショップ」よりは明らかに数が少なかったのですが、「疾走ビショップ」に勝ちやすいという点が結果に結びつきました。純正の「熾天使ビショップ」の使用者はわずか3名でしたが、《[[封じられし熾天使]]》の火は消えませんでした。12名のビショップ使いが《[[エイラの祈祷]]》《[[封じられし熾天使]]》のコンビネーションで、勝利を積み重ねていきました。

またtop8に複数進出した「《[[王家の御旗]]》ロイヤル」を使用したプレイヤーは128人中わずか8名であり、ノーマークのスキをついた形となります。

ウィッチは土の印を使用した1人を除き、すべて「《[[次元の超越]]》ウィッチ」型でした。

冥府への道封じられし熾天使王家の御旗

ほかの3クラスについて詳しい紹介は割愛させていただきますが、比率としては攻撃的なデッキ選択に活路を見出した形となります。今後の大会結果でこのバランスが変化していくかどうかに注目が集まります。

驚異のニュートラルカード!

カードの使用枚数ランキングでは、どのデッキにも投入することができるニュートラルカードが比較的上位に来ると予想されましたが、蓋を開けてみれば《[[死の舞踏]]》《[[エンジェルバレッジ]]》の2種類の採用率が非常に高く、大会に参加したプレイヤーたちがどんなデッキを警戒していたか非常によくわかる結果でした。

死の舞踏エンジェルバレッジ

Day2進出者の中で、《[[死の舞踏]]》は87名、《[[エンジェルバレッジ]]》は88名のプレイヤーが使用しています。前者は攻撃的なデッキが相手の守りを突破するために多く用いられていました。「ダークネス・エボルヴ」リリース後の世界はより攻撃的に推移しているようです。そしてエルフの隆盛を見たプレイヤーたちは、対策カードである《[[エンジェルバレッジ]]》を進んでデッキに投入しました。エルフだけでなく、ロイヤルや《[[フォレストバット]]》戦略を用いたヴァンパイアにも一定の効果があり、無駄になりにくいのもポイントでしょう。

どんな相手に勝ちたいと思って大会に臨んでいたか、その意志がしっかりと伝わってきますね。

次回予告

今回のコラムではRAGE VOL.3 オフライン予選の振り返りを行ないましたが、次回はGrand Finalsの採用ルールであるBO5(3本先取)について、そしてデッキ選択についての検討を深めていきたいと思います。それではまた次回、お楽しみに!