kuroebiのトーナメント指南 第7回:RAGE VOL.3 Grand Finalsに向けて

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11月23日に行なわれる「RAGE VOL.3 Grand Finals」は、オフライン予選よりも複雑な、3リーダーを用いたBO5(3本先取)・デッキ勝ち抜け方式・シングルエリミネーションというルールで行なわれます。

多くのシャドウバースの大会がこれまで開催されていますが、ほとんど採用されていないルールかと思いますので、見どころについて今回のコラムで簡単に説明していきたいと思います。

詳しいルールにつきましては以下のサイトをご確認ください。

RAGE VOL.3 Shadowverse大会規約

より複雑化するデッキ選択とプレイヤー間の読み合い

RAGEオフライン予選では非常に多い使用率となったエルフとビショップ。Grand Finals進出者のうち7名がこのどちらかのクラスを使用して突破している状況であり、やはりGrand Finalsでも警戒せざるを得ないデッキとなります。

しかし、Grand Finalsでは3リーダーを選択する必要があり、エルフとビショップに頼るだけでは勝ち抜けません。またデッキ勝ち抜け方式(一度ゲームに勝利したデッキは使用できなくなる)ということで、自身が持ち込んだ3種のデッキすべてで相手に勝利する必要があります。これまで以上にデッキ選択が、そして組み合わせ選択が非常に重要になってきます。

まず、最初に考えなければいけないのは仮想敵です。

「自分が何を使うか」よりも、「相手が何を使ってくるか」を深く分析する必要があります。

予想される相手の組み合わせに勝つために、自分はどんなデッキを選択するのか? それが戦略としてもっとも重要な要素です。

王道 エルフ・ビショップ・ロイヤル

アリサ_アイコンイリス_アイコンエリカ_アイコン

どんな相手にもあまり不利がつかない、安定感のあるこの3クラスを選択するのは非常に理に適った選択です。相手のデッキ選択がわからない以上、各デッキのポテンシャルを最大限に高めて挑むという答えにたどり着くプレイヤーは多いと思います。

しかし、この組み合わせが選択される可能性が高いということは、裏を返せばそれだけ相手に意識されているということになります。特定のデッキを狙い撃ちする戦略を選んだプレイヤーに当たったときは、王道がむしろ仇になる結果となるかもしれません。

今回はデッキ勝ち抜け方式なので、2つのデッキでゲームに勝ったとしても最後のデッキで勝利することができなければ待ち受けるのは試合の敗北です。

さまざまなデッキに対応できるポテンシャルが周知の事実となった今、対策を取られるのは必至でしょう。それでもなお王道を突き進むプレイヤーが現れるかどうかが一番の注目ポイントとなります。

対抗 ヴァンパイア+α・ドラゴン+α・ネクロマンサー+α

ユリアス_アイコンローウェン_アイコンルナ_アイコン

倒すべき相手が定まっているのならば、その他のクラスでも十分に対抗が可能です。

いずれもクセのあるクラスばかりですが、ほかの2デッキに負けても特定のデッキにさえ3ゲーム勝ち続けられるなら、最終的な勝利が舞い込んでくることとなります。

王道対策として考えられる戦略としては、《[[エンジェルバレッジ]]》(もしくは似たカード)を3枚投入してエルフを対策した上でのアグロ戦略でしょうか。そしてこれらのクラスならデッキ的にもそれが実現できます。「ビショップのような堅い守りは突破できなくても、守りが手薄なエルフだけを3つのデッキで負け組にして勝つ」、といったように“特定の戦う相手を意識した”デッキ構成にチューニングするのは、Grand Finalsでは非常に効果的かと思います。

この戦略の懸念点は、狙い撃ちすべきデッキを相手が使用していない場合、一気に窮地に立たされることです。また、いくら対策しようとも王道デッキはデッキ自体のポテンシャルに優れているので、必ず勝てるという確証はありません。

デッキを知り尽くし、対戦相手を知り尽くしたプレイヤーのみが取り得るこの対抗戦略。誰がどういったデッキを選ぶのか、そしてこの戦略が見事に刺さるかどうかも当日楽しみですね。

大穴 ウィッチ+α

イザベル_アイコン

ウィッチの中でも特に使われる頻度の高い「超越ウィッチ」というデッキは非常に繊細で、特定のデッキへの対策カードを投入する枠を作るのがなかなか難しくはありますが、対戦相手が「超越ウィッチ」で食い物にできる可能性が高いならば十分に選ぶ余地があります。しかし、今回のGrand Finals進出者は誰1人として予選ではウィッチを選択しておらず、また攻撃的なデッキを好むプレイヤーも含まれているため、「優勝する」という目的からはもっとも遠いクラスとなってしまったかもしれません。

ですが、使われる可能性が低いということは、ウィッチに対するガードが下がっているということ。新たな回答策と言えるウィッチが意表をついて飛び出すことも、もちろん考えられるでしょう。

土の印を組み合わせたデッキや、速攻に強い構成などカスタマイズは可能ですので、予選ではあまり見られなかったウィッチの大活躍が見られるかもしれません。

最後に

今回挙げた組み合わせは、Grand Finalsに向けての戦略の一要素でしかありません。オフライン予選から約1か月という長い時間をかけて、私たちが想像もできないようなデッキ、そして戦略が生み出され、披露されることと思います。優勝の栄誉を掴み取るのはどのプレイヤーなのか、すばらしい試合を期待して本番を待ちたいと思います。スターの誕生まで、あとわずかです!

GrandFinals出場者