kuroebiのトーナメント指南 第17回:2Pickを始めよう! その2
2Pickではカードのピック候補が提示されるたびに必要か否か評価する必要があります。その評価基準は事前知識、経験、そしてクラスごとの方向性をもとにあなた自身が決定しなければなりません。単純なカードの強弱を見比べてピックするだけでは、デッキの完成度自体が下がってしまうこともあるのです。
前回のコラムでは2Pickの魅力、そして基本的なテクニックについて紹介しました。今回はさらに一歩踏み込んで、構築戦とは異なる視点で各クラスについて紹介していきたいと思います。
また、2Pickではブロンズレア・シルバーレアがデッキの中核となります。また「進化時にボーナスがあるフォロワーをどれだけ進化できるか」も、勝負を決める原動力となります。その2つの視点から、構築戦ではあまり見ませんが2Pickでは重宝するカードを中心に、各クラス2枚ずつピックアップしました。
そもそもどのクラスを選択すべきか?
↑クラス選択からすでに勝負は始まっている。あなたならどのクラスを選ぶ?
2Pick開始時に、まず使用するクラスを選びます。7種類のクラスからランダムで選ばれた3種が登場するので、毎回望んだクラスを使えるわけではありませんが、選択の優先度を順位づけることはできます。今回と次回のコラムがクラスの順位づけの助けとなるかもしれません。
私がまずクラス選択時に、そしてPick時に考えているのは先攻を取った時の勝ちやすさです。実は後攻の場合はどのクラスもほぼやることは変わらず、序盤の相手の動きに対応し中盤以降逆転していくという流れで大まかに説明ができます。
先攻は後攻と比べて手札が1枚少なく、また進化ポイントも1つ少ない状態でバトルを開始するため、相手の動きに対応していく、という方針では基本的に手数が足りません。先攻が後攻に対して優位に立っている要素は、「PPを後攻よりも先に多く使える」ということなので、これを活かしてPPを余すことなく使い切り、相手を攻め続ける攻撃性が発揮しやすければしやすいほど、先攻時に勝ちやすくなります。
その判断基準となるのは、フォロワーの層の厚さです。バトルの主導権を握るためには相手よりも強力なフォロワーを展開し、場を支配する必要があります。すでに場を掌握しているときや、意図的にゲーム展開を遅らせたいときにはフォロワーを除去するスペルや突進フォロワーも有効ですが、これらはあくまで「場の優位を固定」する役割が主で、場の優位を築くためにはやはり優秀なフォロワーは欠かせないのです。
エルフ
《[[フェアリー]]》を量産し続けることで、エルフは常にPPを有効に利用し続けることができます。対戦相手よりもPPを多く使えればそれだけで有利にバトルを進められるので、ピック中は優先して《[[フェアリー]]》を生み出すカードを確保するのがいいでしょう。たいていの2コストフォロワーよりも《[[フェアリーウィスパラー]]》を優先したほうが勝ちやすくなることが、何よりの証明です。
裏を返せば、《[[フェアリー]]》が手に入れられないデッキだとエルフの強みが失われてしまいます。ポテンシャルを秘めたカードを強く使うためにも、ピックには細心の注意を払いましょう。
エルフの注目カード
まさに自己完結といった進化フォロワーが《[[天馬のエルフ]]》です。《[[精霊の呪い]]》を内蔵しているというだけでかなり使い勝手のいいカードであり、正直進化を使わなくても相当強い部類ですが、緊急で倒さなければいけない相手に対しては進化の1点によってきっちり仕事をしてくれるでしょう。またエルフが得意とする「フォロワーを手札に戻す」能力と組み合わせてもよしと、言うことなしですね。
こちらの《[[クリスタリア・リリィ]]》も除去能力付きフォロワーですが、エンハンス持ちということで賞味期限が最初から最後まで切れないカード。こちらも使い回すことで特に効果を発揮します。
《[[自然の導き]]》や《[[ダンジョンフェアリー]]》は、これらのフォロワーがピックできた後には点数を上げてピックしてもいいかもしれません。
ロイヤル
収録されているほとんどのフォロワーが、同コスト帯のフォロワーにサイズで劣らないうえ、2コスト2/2も多く、フォロワーを順番に出しているだけで安定的に場を掌握することができます。
またバハムート降臨のリリース後は《[[ブリッツランサー]]》や《[[ニンジャアーツ]]》といった使いやすい除去カードにも恵まれ、非常に小回りの利くクラスへと変貌を遂げました。
とにかくフォロワーを並べることを推奨しており、そうしやすい仕組み(フォロワー強化手段や複数のフォロワーを生み出すカード)がきちんと用意されているので、特に意識しなくても場の優位を確立でき、2Pickに慣れていない人でも比較的使いやすいでしょう。
ロイヤルの注目カード
《[[蒼穹の提督・モニカ]]》はファンファーレで《[[ナイト]]》を生み出すことで補完でき、なおかつ進化すると《[[疾風怒濤]]》の能力を発揮する素晴らしいコストパフォーマンス。
非常に高いカードパワーを誇っており、ロイヤルを選択する価値を高めてくれる1枚です。
ロイヤルの一発逆転カード《[[旋風刃]]》。こういった全体除去カードは劣勢を覆すのに適していますし、もしあなたが《[[旋風刃]]》をピックしなかったとしても、このカードが環境に存在すること自体が対戦相手には大きなプレッシャーとなり、最適なプレイをしづらくします。《[[旋風刃]]》と相性の良い《[[ハンサ]]》は、ロイヤルでは優先順位が大きく上昇しますので見過ごさないようにしましょう。
ウィッチ
構築戦の王者が2Pickであまり振るわない、というのは何とも皮肉なものです。ウィッチはスペルブーストと土の秘術という2つのメカニズムを有するため、コンセプトが一致しないと混沌としたデッキになります。
《[[禁忌の研究者]]》や《[[ノノの秘密研究室]]》といったパワーカードをピックし、それらを強く運用できるデッキを目指しましょう。
クラス的にも、攻めよりも守りのほうがもともと得意ということもあり、玄人向けというのが現状の評価です。
ウィッチの注目カード
土の印を供給してくれる2コスト2/2という時点で、《[[ドワーフアルケミスト]]》はウィッチのカードとしてはかなり価値が高く、土の印が過剰に供給されている状況でも進化時能力で無駄にしません。
ウィッチは土の印と土の秘術の枚数バランスが非常に難しく、可能であれば均等にしていく必要がありますが、土の印ばかり入手してしまったときは要注意。場を処理できない土の印で埋めつくさないようにしましょう。
相手のフォロワーにだけ3点という破壊力抜群の全体除去カード《[[アルケミックロア]]》。細かいカードのやりとりが多い2Pickにおいて相手の軍勢を一方的に薙ぎ払えるのは効果的で、しかも体感ですが意識から外れやすいカードだったりもします。相手がウィッチの場合は、このカードを安易に食らうことのないようにしっかり意識して動きましょう。
次回予告
次回は引き続き、2Pickにおけるドラゴン・ネクロマンサー・ヴァンパイア・ビショップについて紹介していきたいと思います。