kuroebiのトーナメント指南 第32回:全国高校生シャドウバース選手権2017決勝総括
初の全国高校生シャドウバース選手権決勝大会が8月25~26日に開催され、全国8か所で開かれた予選を勝ち上がった総勢12チーム、36名の高校生たちによって争われました。
同じ近畿予選を勝ち上がってきたチーム同士の決勝戦を制したのは、宝塚東高等学校のチーム「ズィーク」でした。2Pickと通常対戦2種の混合フォーマットということもあり、その練習方法から戦略構築まで何もかも手探りの状態でしたが、決勝大会に進出したチームはみな素晴らしい戦いを繰り広げ、見るものの心を熱くさせました。
全国高校生シャドウバース選手権2017のルールは、9月18日(月・祝)に開催のRAGE Vol.5 with シャドバフェスでも大会ルールとして採用されています。高校生の皆さんがどのようにこのフォーマットと格闘したのか、今回のコラムで取り上げたいと思います。
(Shadowverse公式twitterより)
先鋒としての重圧、2Pick戦
この決勝大会は3人チームの1人ずつが順に戦い、先に2勝したチームが勝利するという対戦形式となります。そのため、各ラウンドで最初に戦うこととなる2Pick担当の選手は良い形で後続にバトンを渡せるよう、みな必勝を期して戦いに臨みました。
決勝大会に進出したチームの2Pick担当の選手はおおむね予選でも高い勝率をキープしており、好勝負が続きます。その中で優勝した宝塚東高等学校のガリレイ選手は、予選ではあまり成績はふるいませんでしたが「決勝まで連れてきてくれたチームメイトを優勝させたい」との思いから、短期間で2Pick称号「二択の玄人」を獲得するほど練習を積み、決勝大会では2Pick全勝とチーム優勝の原動力になりました。
2Pickの戦略として特に目立っていたのは速攻戦略です。相手がどんなに強力なカード、例えば《[[バハムート]]》などを持っていたとしても10PPに到達させなければ持っていないのと同義。事実、強力なデッキを構築した選手が先攻プレイヤーの猛攻に押し切られるシーンも多々あり、意図的に高コストの強力カードをピックしない選手も好成績を残しました。
私もエキシビジョンマッチで参加させていただきましたが、先攻の利を活かして体力を積極的に削り、相手が強力カードを使う間もなく倒す動きができました。こういった2Pick独特のスピード感を習得したプレイヤーが、このルールでは勝ちやすいかもしれません。
通常対戦での戦略とデッキ選択
今大会の通常対戦ルールは、2クラスを使用したBO3を2人の選手が担当します。また使用するクラスがチームメイト同士でかぶってはいけないというルールのため、計4クラスのデッキを用意しなくてはいけません。
どのようなデッキを相手が使用してくるか予想しづらい状況の中、ヴァンパイアやウィッチ、そしてロイヤルといったクラスの攻撃的なデッキが各チームで数多く採用されていました。
駒場東邦高等学校のデッキビルダーFairplay選手は「相手を読みづらい以上、攻撃的なデッキから防御的なデッキまでさまざまなデッキへの勝ちやすさが重視されるランクマッチで調整し、勝率の高かったデッキを採用すべき」と環境を分析。優勝した宝塚東高等学校のキャプテンchino選手は「遅いデッキが多いと思いそれらに勝てるデッキを選択したが、蓋を開けてみたら想像と全く違った」と悔しそうな表情を浮かべていました。
全12チーム中、攻撃的なヴァンパイアを使用したのは7チーム、そしてロイヤルを選択したのが5チームと、手順さえ間違えなければ相手を選ばず打ち倒すことができるという長所を重視した選択。このコンセプトを踏襲した北稜高等学校は決勝戦でのキャプテン対決を狙い通り速攻で制しましたが、大将戦では見事に相手の攻撃をしのぎ切った宝塚東高等学校のSONchamp選手が柔軟性の高いネクロマンサーとコントロールヴァンパイアデッキを駆り優勝を決めています。
全国高校生シャドウバース選手権は大盛況のまま閉幕を迎えました。
ですがシャドウバースのイベントラッシュはまだまだ留まることを知りません。9月18日(月・祝)開催のRAGE Vol.5 with シャドバフェスでは、この3人チーム戦を遊ぶチャンスがあります。詳細はこちらからご確認いただき、仲間を集めてぜひともエントリーをご検討ください。(エントリーの締め切りは9月3日23:59まで)
次回予告
次回は少し大会を離れて、シャドウバースのさまざまな遊び方について取り上げてみたいと思います。お楽しみに!