kuroebiのトーナメント指南 第41回:RAGE Starforged Legends GRAND FINALS総括
21世紀の超神聖、星神の伝説を制す。
第6弾カードパック「Starforged Legends / 星神の伝説」環境下で総勢7000人のプレイヤーがさまざまなデッキを持ち込んでその頂点を目指したRAGE。2017年最後の国内大型賞金大会は、予選でも一等星のように光り輝いた若き才能の勝利で締めくくられました。
今やShadowverse界だけではなく、すべてのカードゲーマーから注目される存在となった少年は、続く世界という大舞台でもRAGE王者として素晴らしい活躍を見せることができるのか、期待が高まります。
↑RAGE Starforged Legends GRAND FINALS出場選手(写真提供:RAGE)
↑優勝は弱冠16歳の猛者、「21世紀の超神聖」“hasu”選手!(写真提供:RAGE)
↑大会会場内は白熱!(写真提供:RAGE)
↑晴れ舞台にコスプレイヤーたちも華を添えました。(写真提供:RAGE)
ファイナリストのクラス選択
3リーダーBO5というルール、そして対戦する相手のデッキが判明しているという環境下で、予選よりも一歩踏み込んだ対策、研究を行なう必要があるこのGRAND FINALS。今回のフィールドではデッキごとの強弱のバランスが比較的フラットであったことから、より対戦相手の思考を読むことに重きが置かれた印象を受けました。
優勝するためには必ず目の前の相手を倒さなければならず、そのためのデッキ選択にファイナリストたちは苦心することになります。
各選手の使用クラス内訳
名前 | クラス1 | クラス2 | クラス3 |
みずせ | ドラゴン | ウィッチ | ヴァンパイア |
カイト | ドラゴン | エルフ | ネクロマンサー |
hasu | エルフ | ヴァンパイア | ビショップ |
かさご | ドラゴン | エルフ | ウィッチ |
SOS | ドラゴン | エルフ | ネクロマンサー |
ソルト | エルフ | ネクロマンサー | ウィッチ |
くろぬえ | ドラゴン | ウィッチ | ビショップ |
紅茶/PaR | ドラゴン | ヴァンパイア | ウィッチ |
予選でも大量に通過者を出したドラゴンを筆頭に、安定感のあるウィッチやネクロマンサー、やや異例な爆発力で群を抜くエルフが攻撃的なデッキタイプとして存在したものの、全体的に見て比較的遅めの環境をイメージしたプレイヤーが多かったようで、そこで差をつけるようなクラス選択が見られました。デッキ選択と戦略については次の項で紹介していきます。
Finalist注目デッキ紹介
SOS選手
前項でも触れた「対戦相手の思考を読む」という点において、ストリーマーであり2度目のファイナリストとなったSOS選手は情報があふれているという立場のため、若干不利な立ち位置だったかもしれません。使用したドラゴンとネクロマンサーもさまざまなデッキに勝つという目的にもっとも合致した選択肢です。また彼の愛機ともいえるアグロエルフは非常に強力なデッキで、この3種をGRAND FINALSでも使用するのではないかという下馬評でした。そして彼は、皆が思う王道を歩むことを選択したのです。
(画像提供:RAGE)
ソルト選手
対するソルト選手は、デッキパワーを落とさずにSOS選手が選択するであろう攻撃的なデッキをさばくことができるデッキを構築しました。中でもエルフは露骨に攻撃的なデッキに有利がつくニュートラル軸のものを選択し、観客を驚かせました。ネクロマンサー、秘術ウィッチに関しても防御のための仕掛けが用意されています。
(画像提供:RAGE)
みずせ選手
みずせ選手は自身のプレイスキルに全幅の信頼を置いており、対戦相手をさばききるという方向性に舵を切りました。予選でも使用していたランプドラゴンと超越ウィッチに加えて、コントロールヴァンパイアという長期戦を制するためのデッキ選択は一貫性という意味では決して悪いものではありませんでした。
(画像提供:RAGE)
カイト選手
しかし、みずせ選手と相対することになったカイト選手はみずせ選手の戦略を読み切り、遅めのデッキ自体にターゲットを絞りました。特に、攻撃的なデッキに対してのガードは下がるものの対コントロールで劇的な戦果を期待できる《[[闇の従者]]》3枚入りのネクロマンサーは、強烈に対戦相手を意識したゆえの産物です。
(画像提供:RAGE)
かさご選手
hasu選手との初戦を取るために、かさご選手は相手が使ってくるであろう低速デッキを打ち倒すデッキ選択をしました。超越ウィッチ、《[[魔海の女王]]》を1枚挿したランプドラゴン、そしてアグロエルフという強力なデッキを持ち込み、予想さえ的中していればその後も有利に運ぶことができたでしょう。超越ウィッチに関しては速度負けを覆すカードとして《[[魔力の蓄積]]》を投入しました。
(画像提供:RAGE)
くろぬえ選手
くろぬえ選手は信頼できるデッキビルダーがデザインした個性的なデッキを本大会に持ちこみました。疾走エイラビショップと名付けられたこのデッキは、対戦相手の意表を突きながらカード同士の相互作用でさまざまなデッキに対抗することができます。残念ながら当日は出番がありませんでしたが、大会が終わった今も多くのプレイヤーがこのデッキに関して議論を交わしています。
(画像提供:RAGE)
紅茶/PaR選手
急遽ピンチヒッターとなった紅茶/PaR選手は、準備期間数日という厳しい日程をものともせず、この大舞台で素晴らしいパフォーマンスを見せました。彼と彼のチームメイトは遅いデッキを持ち込む相手が多いと予想し、特にドラゴンをメインターゲットとする超越ウィッチ、魔海ドラゴン、復讐ヴァンパイアという選択をとります。また彼自身のプレイスキルも、並み居る強豪選手を圧倒する十分なポテンシャルを持っており、彼をWorld Grand Prix出場へと導きます。特に準決勝で見せた《[[サタン]]》による衝撃的な勝利は観客を熱狂させました。
(画像提供:RAGE)
hasu選手
しかし、決勝で紅茶/PaR選手の目の前に立った少年は、自身が遅いデッキを使うと予想されること、対戦相手がさらに遅いデッキを使うということ、そして警戒されにくい位置に自分がいること、そのすべてを分析し尽くしたうえで、最大限にアドバンテージを築けるデッキとして、攻撃的なデッキ3種を持ち込んでいました。
読みを外されたかさご選手は善戦しますが超越ウィッチを抜かれ続けて敗北、攻撃的なデッキに対するガードを下げたカイト選手はその速度に対抗できずに敗北、そして紅茶/PaR選手もその圧倒的な勢いの前に敗れ去りました。
アグロエルフに続く第2、第3の攻撃的なデッキを見事に操り、7000人の頂点に立ったhasu選手は、自身のデッキの強さと自身の思考の正しさを、見る者全員に証明してみせたのです。
(画像提供:RAGE)
(画像提供:RAGE)
(画像提供:RAGE)
超神聖から超新星へと昇華した最年少王者hasu選手、そして急遽の登板となった大会で結果を残した紅茶/PaR選手は、12月23~24日に開催される「RAGE Shadowverse World Grand Prix」への最後の切符を手にしました。世界各地から集結する強豪24名による今年最後のカーニバルを目前に控え、Shadowverse熱は最高潮に達しようとしています。12月24日に行なわれるWorld Grand Prixは一般観覧も予定されておりますので、ぜひ会場のベルサール高田馬場へお越しください。
RAGE Shadowverse World Grand Prix特設サイト
https://shadowversewgp.com/jp/
次回予告
次回コラムではRAGE Shadowverse World Grand Prixを控え、出場選手たちについてご紹介していきます。お楽しみに。