実践編:デッキ構築を通じて考え方を学ぼう! ネメシス編
前回までのコラムでは、デッキを構築するうえでどのような考え方があるのか、実際に構築済みデッキを改良することで各クラスについて紹介してきました。
今回は実践編ということで、ネメシスクラスのデッキを構築していきたいと思います。まずはネメシスのテーマを知るために、デフォルトデッキを確認してみましょう。
ネメシスのデフォルトデッキ(ベーシックカードのみ)
ネメシスってどんなクラス?
デフォルトデッキの内容から、ネメシスには大きく分けて2つのテーマがあることがわかります。
まず1つ目は「アーティファクト」です。《[[魔鉄の獅子]]》のようなデッキにアーティファクト・カードを加える、というカードを使用することで、相手よりも低コストで強力なカードを引く確率をわずかずつ上げていくというものです。即効性のない能力ですが、デッキ内のアーティファクト・カードを手札に加えるという能力のカードと組み合わせると一気に強力なテーマへと変貌します。
2つ目は《[[操り人形]]》です。この0コスト1/1突進フォロワーを大量に生成することで相手のフォロワーをすべて倒し尽くし、対戦相手の勝ち手段を実質的に奪うことができます。
一見すると違う方向性に見える2つのテーマですが、時間を稼げば稼ぐほど勝ちやすくなる「アーティファクト」と、時間を稼ぐことがとにかく得意な《[[操り人形]]》はお互いがお互いの足りない部分を補完し合うような関係性であることがわかるでしょう。
この時点で、デッキ構築について私たちには3つの選択肢が与えられています。
1. アーティファクトデッキを組む
2. 操り人形デッキを組む
3. 2つのテーマを組み合わせたデッキを組む
テーマごとにデッキを作る
まずは「アーティファクト」デッキを構築しましょう。
ここではアーティファクト・カードをデッキに加えるカードを(A)、デッキ内からアーティファクト・カードを手札に加えるカードを(B)と呼びます。
デッキ構築で気をつけるポイントとしては、(B)より先に(A)をプレイしておかないといけないということです。その条件を自然にクリアできるように、(A)のコストが(B)よりも低いカードを優先して採用するのがいいでしょう。
《[[イカロス]]》や《[[歴史を知る者]]》は(A)に分類されるカードですが、進化することで(B)としても使用できますし、《[[造られし命・ミリアム]]》は状況に応じて(A)としても(B)としても使えるカードです。また、厳密には(B)ではありませんが、《[[デウスエクスマキナ]]》はその大量ドロー能力から(B)に分類してもいいでしょう。
サンプルデッキ「アーティファクト」:
続いて《[[操り人形]]》デッキを構築してみましょう。
ネメシスには《[[操り人形]]》を入手する手段が豊富にありますが、相手の速攻に対応できるようにコストが軽いものから優先的にデッキに組み込むといいでしょう。
《[[ダラダラ天使・エフェメラ]]》は実質《[[操り人形]]》を2倍に増やすかのような能力を持ち、プレイしたターンにスキが生まれますが、《[[操り人形]]》が手札にあれば緩和できます。
勝利手段としては《[[人形の少女・オーキス]]》と《[[復讐の人形遣い・ノア]]》を用意しました。いずれも《[[操り人形]]》を直接的なダメージ源へと変換させるカードです。《[[操り人形]]》を使い切ってしまいチョイス条件を満たせず《[[人形の少女・オーキス]]》でのプレイとなったとしても、《[[復讐の人形遣い・ノア]]》で勝つための《[[操り人形]]》を補充できるため、十分活躍できるでしょう。
サンプルデッキ「操り人形」:
これで2つの別々なテーマを持つデッキが完成しました。次はこの2つのデッキを作成した際のノウハウを継承しつつ、第3の選択肢として挙げた“2つのテーマを組み合わせたデッキ”の構築を行なってみましょう。
2つのテーマを合わせたデッキを作る
すべてのデッキには長所と短所が必ず存在しています。
前項で作成した《[[操り人形]]》デッキには明確な弱点があります。それは十分な《[[操り人形]]》が手札に貯まるまで勝つことができない、という点です。相手が毎ターンフォロワーを出してくる状況でこの条件をクリアするのは、容易ではありません。
この短所を補うために、以下の要素をデッキに組み込む必要があります。
1. 対戦相手の体力を積極的に削るギミック(《[[操り人形]]》の必要枚数を少なくする能力)
2. 手札を消費せずに相手の戦力を削る
この問題を解決する鍵が、実はアーティファクトデッキの中にあります。
軽量フォロワーを序盤から展開できれば相手の体力の水準をかなり下げることができますし、手札の消費を抑えるには《[[アナライズアーティファクト]]》や《[[レディアントアーティファクト]]》、そして《[[プライムアーティファクト]]》がぴったりです。
それを踏まえて構築したデッキがこちらです。
サンプルデッキ「2テーマ合体」:
《[[操り人形]]》デッキを軽量化し、序盤から攻勢に出られるように作り替えました。また、カードの消費を抑えるギミックも搭載したので、先ほど挙げた短所をしっかりと補うことができたかと思います。
このようにデッキ構築はアイディア1つで大きく形を変えていくものなのです。今回は短所を補う方向でデッキを作成しましたが、短所に目をつぶって長所を伸ばすやり方も当然アリでしょう。
さまざまなアプローチから試行錯誤を繰り返し、あなた好みのデッキを作ってみてください。今回のコラムがあなたのデッキを作る助けになれば幸いです。