kuroebiのトーナメント指南 第1回:デッキよ、進化せよ!~アグロ編~
待ちに待った新セット「ダークネス・エボルヴ」がついにリリースとなり、109枚の新たなカードが野に放たれました。各カードの評価については皆さんも「ああでもない、こうでもない」と議論を進めている最中かと思います。
今回のコラムでは、私が考えるアグロデッキ視点での注目すべきカードとサンプルデッキについて紹介していきます。
アグロの注目カード
アグロデッキの強化の肝となるのは、以前のコラムで述べた通り、低コストのカードの質です。今回はすべてのクラスに2コストのフォロワーが追加されていますが、既存のアグロ戦略が得意なクラス(ロイヤルやネクロマンサー)に関しては今回追加されたカードの恩恵は少ないかもしれません。すでに十分に攻撃的なタレントがそろっているため、新カードを積極的に採用できないからです。
むしろ恩恵を受けるのはこれまでアグロ戦略とは無縁だったクラスでしょう。デッキの基盤となる低コスト帯がかなり固まってきたので、新たな選択肢としてアグロが使われ始めるととてもおもしろいですね。
この項では、各クラスとニュートラルから計8枚の注目カードをピックアップしました。
ニュートラル
まさかニュートラルでここまで強い2コストフォロワーが追加されるとは思ってもみませんでした。《[[ユニコーンの踊り手・ユニコ]]》は2/2というサイズもさることながら、自分のターン開始時に回復する能力はすさまじく、アグロ戦略を取るなら、このカードを放置することは絶対に許されないほどのパワーを持っています。
このカードがよく採用されるようになると、1コストのフォロワーの価値は序盤に与えた数点分のダメージが無効化されるために著しく下がってしまいます。アグロデッキを使用する際にはこのカードの使用頻度を常に意識し、あなたが戦うフィールドに合ったデッキ構成へと再構築しましょう。
エルフ
《[[クリスタリアプリンセス・ティア]]》は5コストで1/1と4/4という2体のフォロワーが手に入るのもすばらしいですが、《[[フェアリー]]》などと組み合わせることで《[[クリスタリア・イヴ]]》が進化し守護を得るというおまけつき。もともとエルフは序盤からフォロワーを横に並べるのが得意なクラスですが、不足していた5コスト帯の救世主が現れたと言っていいでしょう。4ターン目の《[[エルフプリンセスメイジ]]》進化から5ターン目に展開し、一気に場を制圧、という流れに期待がふくらみます。
ロイヤル
小回りの利く強化スペル《[[師の教え]]》はドローがついているので、無駄になりにくいのが特徴です。ロイヤルはカードの補充に課題があるクラスなので、カードを引きながら戦闘補助もこなす、カード2枚分の働きを期待できるこのカードは非常に価値のある1枚となるでしょう。
レアケースですが、相手のフォロワーにも使えるということを覚えておきましょう。パワー5以上のフォロワーを破壊する《[[ツバキ]]》や《[[ジャイアントスレイヤー]]》も、これと組み合わせることで使いやすくなり、さらに評価が上がりそうです。
ウィッチ
これまでのウィッチは、アグロという視点からデッキ構築をするのが難しかったのですが、進化時のすばらしいボーナスを持った軽いカード《[[古き魔術師・レヴィ]]》が追加されたのは福音かもしれません。2コスト帯のカードで、序盤中盤終盤といつ引いても嬉しく、《[[紅蓮の魔術]]》はフォロワー除去にもとどめの一撃にもなる、非常に汎用性の高いカードです。
ドラゴン
手札を捨てる、というドラゴンのサブテーマを攻撃的に推進する《[[荒牙の竜少女]]》。攻撃をしなくてもダメージを稼げるカードは守護を突破する必要がないので貴重です。アグロでは実現しにくいですが、《[[新たなる運命]]》を連打しているだけで勝てるかも?いろいろな想像をかきたてますね。
ネクロマンサー
アグロデッキでもっとも重要なのは、フォロワーを並べることで対処しづらい状態を保ち、ダメージを継続して与えることです。《[[ケリドウェン]]》はアグロデッキで採用するには若干コストが高く、進化してもサイズは変わりませんが、追加の戦力を場に出すことで相手を圧倒する手助けとなるでしょう。特にラストワード持ちのフォロワーが復活すれば非常に強力な一手となります。《[[ケルベロス]]》とコスト帯が被っているのは少し気がかりですが、進化ポイントが残っているターンにプレイできるコストなのは評価できます。
ビショップ
アグロ向きのクラスではないため、次回の「コントロール編」以降で解説します。
ヴァンパイア
ついに登場した、実質3コスト帯のサイズを持った2コストフォロワー《[[サーペントチャーマー]]》。デメリットも気にならないレベルで、特に先攻時に重宝しそうです。これ1枚で4コスト帯のフォロワーまでにらみを利かせられるため、いろいろなデッキに対してインパクトを与えるカードとなりえます。ぜひ使いたい1枚。
この《[[吸血姫・ヴァンピィ]]》は恐らくダークネス・エボルヴでもっとも期待されているカードのうちの1枚ではないでしょうか。《[[フォレストバット]]》を出すとダメージが飛ぶ、というだけでも恐ろしい能力ですが、効果が重複するので引けば引くほどさらに強力なダメージを叩きだすことができます。また、こういった相互作用のあるカードは、今後追加される《[[フォレストバット]]》関連のカードと組み合わせてますます強くなっていくことが予想できるので、将来性もばっちりです。
サンプルデッキ
ヴァンピィアグロ
今回は《[[吸血姫・ヴァンピィ]]》をフィーチャーした「ヴァンピィアグロ」デッキを用意しました。序盤から攻勢に出ることが難しかったヴァンパイアでしたが、《[[フォレストバット]]》を並べるカードが追加され、一気にダメージを稼ぎやすくなったかと思います。
2コストがかなり多いデッキとなっているため、手札で2コストフォロワーが被ったときにどれから展開するのがいいか悩む場面もあるかと思いますが、先攻時には《[[サーペントチャーマー]]》を最優先に据えてください。後攻時は相手の2ターン目の展開を見てベストな選択ができるといいでしょう。
膠着状態からでも《[[吸血姫・ヴァンピィ]]》や《[[ブラッディ・メアリー]]》でリーダーへ直接ダメージを与えることができます。ただ引いたカードをとりあえず出すのではなく、温存することで一気にゲームを決められる可能性があることを常に意識していきましょう!
まとめ
注目の低コストカードを使って、新たに生まれたアグロ戦略にチャレンジしよう!
次回のコラムは、コントロール視点での注目カードとサンプルデッキの紹介です。お楽しみに!