kuroebiのトーナメント指南 第3回:デッキよ、進化せよ!~ミッドレンジ編~
新カードが増えれば増えるほど、カード単体の「強さ」という評価のボーダーラインは必然的に高くなっていきます。
私はそのカードの強さがデッキの強さに直結するのが、ミッドレンジデッキだと考えています。既存のカードの上位互換があれば、それは当然デッキの強化につながりますし、序盤で出遅れたとしても、中盤で場を制圧できる素晴らしいカードが1枚あれば戦況を激変させることが可能だからです。
今回のコラムでは、私が考えるミッドレンジデッキ視点での注目すべきカードとサンプルデッキについて紹介していきます。
カードの力強さが物を言うミッドレンジデッキを進化させるためには、どのようなカードが採用されるべきでしょうか。
注目カード
第11回のコラムや冒頭でも書きましたが、ミッドレンジデッキで必要とされているのは、ほかの選択肢と比較して強い、コスト以上の働きをするカードです。
シャドウバースでは(《[[竜の託宣]]》等は除き)お互いのPPは同じ量しか与えられないようになっています。その中でコスト以上の働きをするカードを常にプレイすることができれば、相手はそれに対応するために不利な行動を取らなければならないので、強力なカードをプレイし続けることは、有利にゲームを進めるための原動力となります。
この項では、各クラスとニュートラルから計8枚の注目カードをピックアップしました。
ニュートラル
「消滅させる」という絶対除去カード《[[オーディン]]》がニュートラルに加わったことにより、全クラスがデッキパワーを落とすことなく《[[冥府への道]]》に対抗する手段を得たのは非常にいいニュースです。もちろん、ただプレイして強い、というカードとは少し違いますが、盤面に影響を与えながら4/3フォロワーが登場する、しかも時にはゲームの勝敗を決定づける破壊力すら持つ可能性があるならば、十分に検討すべきカードと言えるでしょう。すでに流行しつつある《[[封じられし熾天使]]》にも非常に効果的です。
エルフ
ほかのフォロワーが場に存在することが前提ですが、圧倒的破壊力を生み出す《[[エルフナイト・シンシア]]》。場に残り続けるかぎり毎ターン効果が重複していきます。また進化時に《[[フェアリー]]》を2体生み出すことで場の優位を確立しやすく、消耗戦にも強くなるというおまけつき。ミッドレンジという枠組みに限らず、《[[フェアリー]]》を横に並べるのに長けたエルフデッキすべてで採用する価値があると考えます。
ロイヤル
《[[ホワイトパラディン]]》は3/2守護という基本サイズもさることながら、進化時のボーナスがミッドレンジデッキでは重宝しそうです。後攻4ターン目即進化でも相応の効果を発揮しますが、ロイヤル同士の戦いでは相手のビッグアクションである《[[フローラルフェンサー]]》や《[[海底都市王・乙姫]]》に対しての3コストでの返し手としても評価できます。また《[[シールドガーディアン]]》によって、すでに場に存在するフォロワーを守れるため、ダメージを後押しできる点も見逃せないでしょう。
ウィッチ
土の秘術の効果が目を疑うほど強力で、《[[太陽の巫女・パメラ]]》を除く場のフォロワーすべてが1枚で相手を粉砕できるほどの凶悪なカードに変貌します。土の印が必要であり、場にフォロワーを並べるのが難しいウィッチというクラスでだからこそ許されている感はありますが、《[[エンシェントアルケミスト]]》で量産した《[[ガーディアンゴーレム]]》を一気に強化することで、対戦相手を無力化する展開はよく見られるようになるかもしれません。最速でプレイするというよりも、どちらかというとじっくり耐えて終盤一気にリードを広げる使い方が多いでしょう。
ドラゴン
お供の《[[オルカ]]》と合わせてコストに見合った働きをする《[[ネプチューン]]》ですが、場にいる《[[オルカ]]》が増えれば増えるほど進化時の効果が増す点は評価すべきでしょう。《[[クイーンサーペント]]》のような《[[オルカ]]》を出すカードが今後増えていけば、その価値はさらに高まります。期待を込めてのピックアップ。
ネクロマンサー
場に存在するターンが長くなればなるほどカードの価値が高まる、ミッドレンジで使うには非常にすばらしいカードが《[[蝿の王]]》です。毎回呼び出すフォロワーが3種(《[[絶速の甲虫]]》、《[[絶死の毒蜂]]》、《[[絶護の魔蠍]]》)からランダムで1体なので、必ずしも状況に合った展開にはならないかもしれませんが、どれも盤面に影響を与えるフォロワーとなっているので相手は苦戦を強いられるでしょう。特に《[[死の祝福]]》を経由しての《[[蝿の王]]》という流れはやすやすと止められないので、そのままゲームを終わらせられるでしょう。
ヴァンパイア
これまでタレント不足だったヴァンパイアの5コストをキッチリ埋めてくれる《[[ブラッディ・メアリー]]》。その効果ゆえに、場に放置することがまったく許されない点がすばらしいですね。ヴァンパイアのゲームスピードを一気に加速させるポテンシャルを持っており、効果を発揮するには特定のカードを組み合わせる必要がありますが、それを手札に持っているかどうかは相手には判断できないので、相手に必ずリアクションを要求できます。これぞまさにレジェンドといったカードパワー。
ビショップ
これまでカウントダウンを進めるカードはどこか防御的なものばかりでしたが、攻撃的にカウントダウンを進めるこの《[[天空の守護者・ガルラ]]》が追加されたことによって、これまでコントロールデッキ一辺倒だったビショップの価値はかなり高まったと言っていいでしょう。リーダー本体に3点のダメージを飛ばせる能力も、守護の上からライフを削りきるのに一役買ってくれます。6コストとなかなかプレイしづらいのがネックですが、とどめの一撃としては言うことありません。
サンプルデッキ
疾走ビショップ
「ダークネス・エボルヴ」リリース前から、一部で密かにブームとなっていた疾走ビショップですが、新カードが追加されて一気に開花しました。カウントダウンのアミュレットを序盤に並べるという戦略は場に干渉しづらく、後手に回る展開が多かったのに対し、《[[詠唱:獣姫の呼び声]]》といったパワーカードと、序盤の場の均衡を保つために重要な2コストのフォロワーがかなり厚く補充され、中盤から終盤にかけての継続的な攻めが実現しやすくなったため、線の太い戦いもできるようになります。
しかし低コストのフォロワーを並べてくるデッキが弱点となっており、エルフやロイヤルが流行しているなら《[[テミスの審判]]》や守護フォロワーを多く採用すべきでしょう。このデッキでは対抗策として、リーダーにもダメージを与えられる点を評価して《[[エンジェルバレッジ]]》を採用しています。
まとめ
コスト以上の働きをする新カードを使って、ミッドレンジデッキを強化せよ!
次回のコラムは、RAGE直前ということで「ダークネス・エボルヴ」リリース後の注目デッキの紹介です。お楽しみに!