kuroebiのシャドウバース入門 第11回:デッキ構築のイロハ・ミッドレンジで圧倒せよ
強力なデッキを使うことは、勝つために必要な要素の1つです。
しかし、強力なデッキリストがあれば無敵になれるわけではありません。「このデッキはなぜ強いのか」、「なぜこのカードがこの枚数採用されているか」などの答えを自力で出すために、あなた自身が「デッキ構築のイロハ」を知っておく必要があります。
今回は、第9回のアグロデッキ、第10回のコントロールデッキに続き、ミッドレンジデッキについて解説していきます。
ミッドレンジデッキの特徴
シャドウバースでは強力なカードが各コスト帯に多数存在します。デッキの方向性によってはいくら強力でも採用を見送らねばならない場合もありますが、基本的に毎ターン、ベストアクションと呼べるカードをプレイできれば、少しでも甘い行動を取った相手をそのまま圧倒することができるでしょう。ミッドレンジデッキは、各コスト帯のベストアクションをぜいたくに組み込んだ、まさに王者のデッキです。
毎ターンPPを無駄なく使いこなせるよう、各コスト域のカードがまんべんなくデッキに投入されており、「1ターンに1枚ずつ、その時点でプレイできる最高のカードを使えばOK」という具合にプレイの道筋自体もわかりやすくなっています。
シャドウバースで恐らくもっとも有名なデッキである「ミッドレンジロイヤル」はまさにこの典型例で、各コスト帯の優秀カードを場に叩きつけ続けるだけであなたを勝利へと導いてくれます。先攻3ターン目の《[[フェンサー]]》、後攻4ターン目の《[[フローラルフェンサー]]》、先攻後攻かかわらず6ターン目の《[[海底都市王・乙姫]]》とそれに続く《[[セージコマンダー]]》は、対ロイヤルでは常に意識せざるをえない強力なアクション群です。
また、PP加速を主体としたドラゴンデッキも、同様の思想を持った構成になる場合が多いです。PP加速に序盤の数ターンを割いたとしても、最終的には毎ターンのアクションの強さで相手を圧倒できる作りとなっています。
↑ロイヤルのベストアクションたち。いずれもゲームを決めるカードパワーを持つ
この戦略が成立する背景には、ターンを重ねるごとにPPの最大値が増えていくというゲームシステムがあります。デッキ内のカードのコストが全体的に低いデッキの場合、序盤の数ターンは効率よくカードをプレイできますが、手札の消耗が早く、中盤から終盤にかけてはPPを余らせてしまうことが多くなります。逆にデッキ内のカードがリアクションカード(除去スペルなど)ばかりの場合や、コストが全体的に高いデッキの場合は、序盤のPPをうまく消費できません。
お互いのプレイヤーが使用できるPPの上限および最大値は同じなので、相手よりもPPを多く使い続けられたプレイヤーのほうが当然有利にゲームを進められます。つまり、序盤から終盤まで手札が尽きることなく効率よくカードをプレイし続けるためには、必然的にミッドレンジ然としたデッキ構成に行きつくことになるのです。
以上を踏まえて、ミッドレンジデッキを作成してみましょう。
ミッドレンジデッキを作ろう
まずは第8回で紹介したサンプルデッキのカードコスト分布を見てください。
↑カードコスト分布:(左)ミッドレンジロイヤル/(右)ミッドレンジ“サタン”ドラゴン
各クラスでコスト分布に差はありますが、前述したとおりまんべんなく各コスト帯のカードが投入されているのがわかります。唯一の例外である2コストのカードは、その重要性を第9回アグロ編でお伝えした通りで、ミッドレンジでも変わらず厚く採用される傾向があります。
また、低コストのカードにはミッドレンジではもう1つ重要な役目があります。
上のコスト分布例で挙げたロイヤルでは、5コストのカードが少ないのがわかります。これはほかのコスト帯と比べ5コストで採用したいカードがあまりないことが理由ですが、ミッドレンジの強みである「毎ターン強いアクションを取る」という流れが5ターン目に途切れてしまう可能性が高くなります。それを補うため、5コスト帯では2コスト+3コスト、または1コスト+4コストという2枚のカードを使用することで、ミッドレンジの強い行動を維持しています。1ターンに1枚カードを使うという基本方針に沿っていれば手札に数枚カードが余っているはずなので、デッキを作る際は穴となるコスト帯を補うために、複数枚組み合わせやすいコスト帯のカードを少し多めに採用するといいでしょう。
ミッドレンジデッキでよく採用されるのは、そのコスト帯以上の働きをするカードです。例えばミッドレンジロイヤルの《[[海底都市王・乙姫]]》は6コストのカード1枚で《[[ゴリアテ]]》1枚+《[[ヴァンガード]]》4体という、計8コストの5枚のカードを使ったような効果となっており、プレイするだけで一気に盤面を制圧できてしまうインパクトがあります。また《[[ツバキ]]》は6コストのカード1枚で《[[ジャイアントスレイヤー]]》+潜伏つきの《[[デザートライダー]]》という、計7コストの2枚のカードに相当する非常にお得なカードです。こういったカード1枚で複数枚分の役割を持つカードは絶対数が少ないため、積極的に採用していいでしょう。
↑見比べるだけでわかる、《[[ツバキ]]》のお得感
ミッドレンジデッキでは、自分が強いと思うカードをやみくもにデッキに詰め込むだけでも、一定の戦果があげられます。しかし、どのデッキでもそうですが、よく当たるデッキの傾向、そしてあなたのデッキがだいたい何ターン目から攻め始め、何ターン目に勝利できるのかをしっかり検討しましょう。ゲームプランを意識することで優先すべきカードが変化し、あなたのデッキはより一層強力なものになっていきます。
極端な例ですが、だいたい9ターン目までに勝利できるデッキには10コストの《[[サタン]]》は不要のはずです。しかし、対戦相手がコントロールデッキばかりを使ってくるならば10ターン目以降もゲームが続いてしまうため、《[[サタン]]》をデッキに投入することも考慮しなければいけなくなるでしょう。
↑5ターン目に攻めるか受けるか、そして10ターン目以降もゲームが続くかどうかでも選択肢は変わる
9月下旬には新カードパック「ダークネス・エボルヴ」がリリースされます。現在、ミッドレンジデッキはカードの選択肢があまり多くない状況ですが、強力な新カードが多数登場することによって、さまざまなオプションを得られるミッドレンジデッキはより強く、よりおもしろくなっていきます。ぜひあなただけのミッドレンジデッキを完成させてください。
~まとめ~
ミッドレンジは王者のデッキ!全てを粉砕する圧倒的なデッキパワーを追求しよう!
次回は番外編として、「キャラバン」イベントの体験記をお届けします。さらにその次のコラムでは、「ダークネス・エボルヴ」のカードをどうやってデッキに取り入れるかについてお話ししていく予定です。お楽しみに!