kuroebiのトーナメント指南 第10回:RAGE VOL.3 Grand Finalsを終えて

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11月23日、シャドウバースを扱った初の大型大会であるRAGE VOL.3がGrand Finalsを迎えました。

予選から約1か月間という調整期間が設けられましたが、8名のファイナリストにとってはトライ&エラーを繰り返す濃厚な日々だったことでしょう。

彼らが出したデッキ選択という1つの“結論”について、今回は見ていきます。

GRAND FINALS対戦組み合わせ

↑GRAND FINALSの対戦組み合わせ

ま選手トロフィーショット

↑優勝は“ま”選手!(写真提供:RAGE)

クラス選択

Grand Finalsは、予選での2リーダーBO3から、さらに複雑化した3リーダーBO5というルールで行なわれました。デッキ選択について、第7回のコラムにて「王道、対抗、大穴」と分類しての私の予想を紹介しましたが、各人の選択についてはいい意味で予想を裏切られたという印象でした。

王道として挙げたエルフ・ビショップ・ロイヤルを選択したのは4名、そして他の4名はウィッチに活路を見出しました。


内訳:

asupe エルフ ロイヤル ビショップ
roro エルフ ロイヤル ビショップ
りんご エルフ ロイヤル ビショップ
エルフ ロイヤル ビショップ
soomya エルフ ウィッチ ビショップ
nakayama エルフ ロイヤル ウィッチ
屈辱の決闘者 エルフ ロイヤル ウィッチ
hiroya エルフ ロイヤル ウィッチ

まず前提として、予選の段階ではこの8名の中にウィッチを使うプレイヤーがいなかった、ということで攻撃的なデッキに活路を見出す必要がなくなったという背景があります。また、この1か月間の研究によりエルフとロイヤルの手堅さはすべてのファイナリストが実感したことでしょう。そうなると途端にウィッチという選択が光輝きだすのです。

特に予選で攻撃的なデッキを2つ用意して駆け抜けたnakayama選手までもが、他のファイナリストと同じように手堅いリーダー構成を持ってきたのは、意外ではありましたが妥当だと感じました。

アリサ_アイコン イリス_アイコン エリカ_アイコン イザベル_アイコン

↑Grand Finalsはこの4クラスによって争われることとなった

デッキ選択から見る各人の思惑

8名全員が勝利するために研究を重ねて組み上げたデッキたちですが、一発勝負のトーナメントということから、意識すべき相手が少しずつ変わっていたのは面白い傾向です。

優勝するためにはすべての対戦相手に勝たなければいけない、だからと言って1回戦目で当たる相手を意識しなければそこで終わってしまうかもしれない。相当なジレンマに苛まれたことでしょう。

特にウィッチを選択したプレイヤーたちは、このトーナメントをどうやって勝つか、そこに焦点を当てたデッキ・カード選択をしています。

soomya選手はasupe選手と当たるとわかっているからこその苦悩を抱え、asupe選手が使ってくると読んだロイヤルと熾天使ビショップにターゲットを絞った3デッキを選択しました。その象徴たるデッキが、彼の持ち込んだ秘術ウィッチでしょう。

soomya ウィッチ

soomyaウィッチ

soomya選手の狙い通り、熾天使ビショップを選択したasupe選手を撃破することには成功しましたが、他のプレイヤーが熾天使ビショップを使用しなかったことから、一転してデッキ構成上の不利を背負ってしまいました。

一方、hiroya選手は「B(右側の)ブロックには攻撃的なデッキを使ってくるプレイヤーはいない」と分析して3デッキを大胆にカスタマイズしてきましたし、屈辱の決闘者選手はさらに細かく「エルフとロイヤルがこのトーナメントを席巻する」と考え、扱うのは難しいが素晴らしい彼独自の構成の3デッキを用意しました。彼の使用したハイブリッドウィッチは以下の通りです。

屈辱の決闘者 ウィッチ

屈辱の決闘者ウィッチ

しかし、ウィッチを選択したプレイヤーはいずれも、読みの面では明らかに有利なデッキ構成を持ってトーナメントに臨んだにもかかわらず、エルフ・ビショップ・ロイヤルの王道構成にギリギリのところで粉砕されてしまいます。

決勝に歩を進めた、ま選手、そしてroro選手の「王道を極める」という意志と1か月の鍛錬が結果に結びついたエピソードでした。

決勝に進出した両名のデッキは構成も非常に似通っており、どちらが勝つかまったく予想できない状況ではありましたが、終始冷静にプレイし続けたま選手に軍配が上がりました。

まロイヤル roroロイヤル

↑左:ま ロイヤル/右:roro ロイヤル

まビショップ roroビショップ

↑左:ま ビショップ/右:roro ビショップ

まエルフ roroエルフ

↑左:ま エルフ/右:roro エルフ

この1か月を経た8名のファイナリストは、お互いを知ったからこそのデッキ選択をし、そして最後に立っていたのはまさに王道を行く至極のデッキだったのです。

 そしてnext stageへ

募集期間を含めて約2か月という長い時間を経て完結したRAGE VOL.3ですが、シャドウバースの大型大会の開催はこれで終わりではありません。次回RAGEは来春に開催されることが決定し、全国の強豪プレイヤーはすでに自らの武器を改めて鍛え始めています。

今回のRAGEで惜しくも負けてしまった方も、残念ながら参加できずに見ているだけで終わってしまった方も、次の戦いの場に向けて滾っていることと思います。

皆さんの活躍こそが、シャドウバースを次のステージへ押し上げていくのです。ぜひ、今回の熱戦を胸に挑戦し続けてください。次のチャンピオンはあなたかもしれません。

RAGEトロフィー